眠り姫に恋したのは年下御曹司

思わぬ再会

目の前にはフレッシュな顔が並んでいる。


緊張の面持ちの新入社員だ。


今日は天気も良く、入社式に相応しい春の陽気だ。


私は研修を一部受け持つ為、挨拶をしに研修室に訪れていた。



「これから3ヶ月の研修をして頂く講師の方に挨拶をお願いします。」



少し緊張の面持ちで立ち上がった。


見渡せば、新入社員も真剣な表情で私を見ていた。



「片桐です。企画部に所属してます。1週間だけですが、皆さんと一緒に研修をしていきます。宜しくお願いします。」



無難な挨拶を終えて席へと腰掛けた。


プレゼンとは違い緊張する。


次々に講師が挨拶をしていく。



「小川です。」



聞いたことのある声に名前だ。


嫌な感じがする。



「京都支社で働いてます。」



…………。


彼の挨拶が終わった。


小川大樹(おがわ たいき)。


別れた彼氏だ。


思いもよらない名前に動揺が隠せないでいた。
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