眠り姫に恋したのは年下御曹司
ロビーにいるフタバ食品の社員と一緒に親睦会の店に向かう。


隣には笑顔を浮かべた双葉さんが歩いている。



「片桐さんとは電車で見た事がありますが、僕の事を覚えてます?」


「はい。すみません、寄り掛かってましたか?」


「いえ。ただ、いつも寝てらっしゃるなって。」


「ははっ、恥ずかしいです。」


「『疲れてるのかな?』って思ってただけです。」



専ら電車での話になっていた。


やっぱりお互いに覚えているものだ。




「いつも同じ電車ですよね?今度から声を掛けても?」


「はい。いつでも声を掛けて下さい。」


「ははっ、起きていれば声を掛けます。」



冗談交じりに笑いながら話す双葉さんは本当にイケメンだ。


そんな通勤電車の話をしながら歩いていれば、お店に到着した。


私は店員さんに案内をお願いして、フタバ食品の社員と一緒に座敷に案内された。


私は入り口に座り、彼らを上座に案内した。
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