眠り姫に恋したのは年下御曹司
過去と今

元彼の存在

早速、午後には同期メールが流れてきた。


発信元は勿論大樹だ。



『研修で上京中!

今週の金曜、久しぶりに集まらないか?

幹事は俺。

サポート役は片桐。

参加できる方は連絡ください。』



サポート役?


勝手に…………。


まあ、こういう奴か。



『莉乃、今日部屋に行く』



机の上に置いてあった携帯が震える。


陽平からだ。


話は分かっている。


大樹の事だ。


それほど忙しくない私は早めに帰れる。


陽平にご飯でも作っておくか。


さっきの様子から不機嫌だ。



「お先に。」


「片桐さん、お疲れ様です。」



山中に挨拶をして席を立ち上がる。


陽平はきっと遅いだろうから、帰りにスーパーでも寄って帰ろう。


頭の中で夜ご飯を考えながら、エレベーターに乗り込んだ。


途中の階から大樹が乗り込んできた。


驚く私に、笑みを浮かべて近づいてくる大樹が目に飛び込んでくる。
< 153 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop