眠り姫に恋したのは年下御曹司
「ちょっと片桐どうなのよ。」


「噂どおりだよ。それより皆んなは?」



ここはサラッと流すに限る。


話題を他の女子に振っていく。



「いない。一人で寂しいよ。」


「嘘。川井、別れたの?」


「別れた。ヤバイよ、取り残されそう。」



川井が嘆いていたが、視線が私に突き刺さってきた。



「片桐、結婚するの?」


「いやいや全然だよ。」


「話にも出てないの?」


「…………。」


「片桐、友達を紹介してよ。」


「…………。」


「彼氏もいないなんて…………。ねぇ、片桐。」



川井が絡んでくる。


他の二人に助け舟を求めるが。



「私もフリー。」


「…………私は結婚する。」



山下の驚き発言に目を丸くした。


今『結婚する』って言わなかった?



「えっ、山下、結婚するの?」



川井の大きな声が響いた。


男子の視線も山下に集中する。
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