眠り姫に恋したのは年下御曹司

山下が携帯を取り出して操作している。


同期に見せてくれる写真を探しているらしい。



「おおお、年上？」


「四つ上。」


「四つか、俺らもまだイケるな。」



男子が騒いでいる。


仲良く寄り添って写真に収まっている。


ラブラブ感が満ち溢れている。



「山下、幸せそう。」


「うんうん。おめでとう！」


「「おめでとう！」」



幸せそうな二人だ。


独身チームの女子もやっぱり同期の結婚は嬉しいものだ。


そういえば二人で写真なんで撮ったかな？


忙しくてゆっくりなんで…………この前の旅行ぐらいだし。


山下の写真を見て『私と陽平は二人で写真なんで撮ったかな？』なんて思っていた。



「おめでとう！」



同期の祝福に満面の笑みを浮かべる山下は本当に幸せなんだと思った。


その日、大樹の上京よりも山下の結婚話の方が主役になっていた。


それは９年目を迎える同期の仲間意識が更に強められたように感じた。