眠り姫に恋したのは年下御曹司
恋した相手は

年下の彼

暖かい日差しが降り注ぐようになってきた。


あの出来事の後、ぱったり姿を見せなくなった大樹だったが、東京出張最後の日にランチを誘いにやってきた。



「莉乃、ランチに行かないか?」


「いいよ。」



自然と答えていた。


仕事を一段落させて、大樹と二人でオフィスを出てエレベーターに向かった。


そこには会議終わりの陽平が数人で立っていた。


陽平と視線が交わる。



「莉乃、お疲れさま。」


「お疲れ様です。」



陽平の視線が隣に立つ大樹へ向けられ、みるみるうちに眉間の皺が寄せられた。



「どういうつもり?」


「…………。」



陽平の不機嫌な声に周りも驚いている。



「ちょっと陽平。」



思わず名前で呼んでいた。



「双葉部長?」



陽平と同じ会社の方だろうか?


陽平に小さく声を掛けている。


我に返ったのか、表情を和らげていく姿が目に入る。
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