眠り姫に恋したのは年下御曹司
ちらりと見上げれば目と目が合う。



「彼女だよね?」


「まあ。」



そのまま部屋を出ていく陽平に引かれて、私は後ろをついていった。


大きな家なのが部屋の数でわかる。


廊下も凄く長いし。


一つの大きな扉を開けて入っていく。



「陽平、おはよう。」


「お袋、おはよ。」


「あっ、おはようございます。」



慌てて挨拶をした。


陽平のお母さんって事は社長の奥様だ。


手を離さない陽平と並んで席に座らせられた。



「陽平の彼女さんでしょ?片桐さんとか?」


「えっ?あっ、はい。初めまして、片桐莉乃です。」


「ふふっ、綺麗なお嬢さんね。」



笑みを浮かべる奥様は私なんて足元にも及ばない程綺麗だ。


昨日のうちに彼女だと紹介していたのに驚いた。


私が折れると確信していたらしい。


どんだけ落とせない女はいないって思っているのやら。

もしくは彼女を度々紹介しているのかもしれない。


オープンな家族なのかも。
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