眠り姫に恋したのは年下御曹司
結局、陽平と土曜を過ごす羽目になってしまっていた。


本当はお風呂とかにも入りたい。



「俺、シャワー浴びるけど?」



陽平が疑問形で話し掛けている。


私の心を見透かされたに違いないが、陽平の家でお風呂なんて入れる訳がない。



「ごゆっくり。」



にっこりと微笑んで返事をした。


内心は私も入りたいが…………ポーカーフェイスを貫いた。


陽平の口元が僅かに弧を描いている。


楽しんでいる。



「莉乃も入る?」


「いい。早く帰って、自分の家で入るから。」


「遠慮する必要ないのに。」


「初めてお邪魔したお宅でお風呂に入れる程、度胸はないから。ごゆっくり。」


「ふ〜ん、なら、次は入っていいよ。初めてじゃないから。」



部屋から出て行く陽平の後ろ姿を見送る。


次は入って?


あるのか?


なんか全然付き合ってる感じしない。


ドキドキ感もないし。


ベッドに寝転び目を閉じる。
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