眠り姫に恋したのは年下御曹司
なんだかんだと陽平のペースに持っていかれる。


陽平に薦められるまま、カクテルをお代わりさせらていく。


先週の教訓が…………。



「陽平、ちょっと飲み過ぎたみたい。」


「片桐さん?」


「えっ?」



聞き慣れた声にテーブルの横に立つ人を見上げる。


驚きに目が見開いていく。



「山中?」


「片桐さん、こんな場所に来るんですね。俺も大学の友達と来てて。」


「あっ、そうなんだ。」



山中の視線が私から陽平に向けられる。



「片桐さんの彼氏さん?」


「あっ、まあ。」


「同僚の山中です。」


「双葉です。莉乃がお世話になってます。」


「いえいえ、お世話になってるのは僕です。じゃあ、片桐さん、飲み過ぎないで下さいよ。」


「あっ、うん、またね。」



酔いも吹き飛んだ。


こんな場所で山中に会うなんて。


山中の背中を見送れば、男同士で来ているようで輪の中に入っていった。
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