眠り姫に恋したのは年下御曹司

当たり前に

それでも私と陽平の付き合いは上手くいっていた。


あの時見せた陽平の表情は嫉妬の一部と理解して、いつものように陽平と過ごしていた。


初めて訪れる陽平のマンションは高級感が漂っていた。


さすがは…………。



「莉乃、いらっしゃい。髪、少しだけ切った?」


「うん。」


「可愛い。」



相変わらず甘い男だ。


陽平の部屋に入っていけば、凄く綺麗に掃除されている。


まさか自分で?



「莉乃が来るから綺麗に掃除しといた。いつもは服とか散らかってるけど。」



クスクスと笑って楽しそうだ。


私と過ごせるのを本当に楽しみにしてくれていたのが伝わってくる。


だから私も陽平に気持ちが傾いていくのかもしれない。


陽平と過ごす時間は心地良すぎる。



「コーヒーでいい?」


「うん。」


「それともお酒?」


「昨日、やっぱり飲み過ぎたみたいだから。今日は控えておくよ。」


「酔って泊まればいいのに。」



笑っているが本当になりそうだから辞めとく。
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