眠り姫に恋したのは年下御曹司
弟は既婚者だ。

一歳の息子がいる。


凄く可愛いのは認めるが、催促とかするんじゃない。



「お正月にね。」


「姉貴、結婚は?」


「小姑か。そのうち結婚ぐらいします。」


「結婚ぐらい?姉貴には、それが簡単じゃないんだろ?」


「なっ、生意気。」


「結婚してから言え。お袋が買い物に付き合えって。」


「はいはい。」



実家でゆっくりする計画だったが、弟の奥さんは小さい子供もいるし、結局は私が手伝う羽目になる。



「お姉さん、すみません。」


「いいの、生意気な弟が煩いだけだから。」



お正月は何かと出掛けていた。


地元の友達とも遊んだし、弟家族とも出掛けたりして過ごした。


それでも陽平への毎日の電話は欠かさなかった。



「莉乃、会いたいよ。」


「もうすぐ帰るから。」


「乗る新幹線は?換えてないよね?」


「ふふっ、大丈夫。」


「迎えに行く。」



甘い陽平の言葉は私の心に魔法を掛ける。


私も凄く会いたくなる。


私の新たな年が始まった。
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