眠り姫に恋したのは年下御曹司
直ぐに陽平が目に入ってきた。



「莉乃。」



いつもの陽平だ。


少しホッとした。



「陽平、ありがとう。」


「ほら、荷物。帰ろ。」



帰省した荷物を陽平が持ってくれる。


片手はしっかりと私の手と繋がれている。



「莉乃、お腹は?」


「早めに食べる?それとも新年から飲む?」


「ははっ、やっぱり莉乃だ。」


「ふふっ、陽平はお腹空いた?」


「うん。でも飲むのは俺の部屋で。用意してあるから。」



用意?


お酒の用意?



「ご飯は?」


「ご飯も作った。莉乃と食べたくて。」


「えっ?陽平が?」


「うん。ほら、帰ろ。」



陽平が私の手を繋いで嬉しそうだ。


さっきのメッセージはスルーされたが、陽平は気にしてないみたいだ。


重すぎる発言は控えよう。



「何を作ったの?」


「ん?俺の作れるモノ。」


「何、それ。」



クスクスとお互いに笑った。


陽平と一緒に過ごすのは幸せだと思った。
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