眠り姫に恋したのは年下御曹司
そのまま陽平の部屋に案内された。


ソファに私を座らせた陽平がキッチンに消えていく。


部屋には料理をした香りが残っていた。



「莉乃、待ってて。すぐに用意する。」


「手伝おうか?」


「いい。テレビとか見て、ゆっくりしてて。」



陽平が楽しそうにキッチンに立つ姿が目に入る。


意外と料理をしているのかもしれない。


ダイニングテーブルに並べられていく料理。


ん?ダイニングテーブル?



「あれ?テーブルなんてあった?」


「買った。莉乃と食べる為に。」



お正月にダイニングテーブルを買ったの?


そんな客は珍しいかも。



「莉乃、こっちに座って。」


「うん。」



ベンチだ。多分、並んで座る用に買ったに違いない。


ベンチに座り、カウンターキッチンに立つ陽平が料理を並べていく。


お正月料理?



「二人でお正月しよ。」



陽平の言葉に笑ってしまった。
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