眠り姫に恋したのは年下御曹司
「俺、山中建設の三男なんです。」


「はっ?山中建設ってアノ?」


「そうです。結構大手なんですけど。」


「嘘。」


「本当です。」



マジマジと隣を歩く山中を見上げた。


山中がニヤリと笑って私を見下ろしている。



「本当です。っで、あのバーは結構大学時代から行ってるんです。」


「そうなんだ。」



二人目の御曹司を発見。



「片桐さん、喰いつかないんですね?」


「ん?喰いつく?」


「俺、山中建設の御曹司なんですけど。」


「あっ、ああ、うん。でも何でウチみたいな企業に?継がないの?」


「俺は三男ですよ。それに親に他の会社も見て来いって言われたので。」


「へぇ〜。」



山中の話に頷きながら駅へと向かう。


きっと陽平と付き合っているから、驚きもそんなになかったんだと思う。


山中が私の腕を掴んで歩くのを止めた。


それに釣られて私も足を止めて山中を見上げた。
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