眠り姫に恋したのは年下御曹司
陽平は忙しさに忘れるのか?


誕生日の事なんて話題にもならない。


そんなに仕事が忙しい?



『陽平、週末は会える?』



送ろうとしていたメッセージを削除した。


これを送ったら催促しているみたいだし、陽平には気づいて欲しい願いもある。


携帯を鞄へと入れて席を立った。



「ちょっと休憩してくる。」


「はい。」



山中に告げて飲み物を買いに向かった。


今の私は脆すぎる。


心が弱ってしまっている。


本当にらしくない。



「片桐さん。」


「池田さんも休憩?」


「なんか落ち込んでます?」


「まあ、ちょっとね。」



自販機でコーヒーを買って近くの椅子に腰掛けた。



「一緒にいませんね?」


「えっ?」


「朝です。」


「ああ、うん。忙しいみたい。」



隣に池田さんが腰掛けた。


私は一口熱いコーヒーを口に含んだ。



「片桐さん、誕生日ですよね?」
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