葵くん、そんなにドキドキさせないで。
へ、と間抜けな声がこぼれた
な、何でって……
「次の時間が体育だからだよ?」
休み時間のうちに結んじゃおうって思って。
さっき陽菜ちゃんにポニーテールにしてもらったんだ。
「げ、次体育だっけ」
「う、うん」
「面倒くせー…」
はー、と長いため息をついて、また私のことを見る葵くん
な、何でだろう。
どうして今ニヤッと笑ったの!?
「あ、葵くんっ」
「ん?」
「あのっ、どうして近づいてきてるんでしょうか……!?」
ゆっくり顔を近づけてきてるのは、絶対にわざとでしょう!?
「気のせいじゃない?」
「じゃない!絶対わざとっ」
「ふは、よく分かってんじゃん」