葵くん、そんなにドキドキさせないで。
「ふーん?」
た、楽しんでる…私の反応を見て楽しんでるよっ、この腹黒王子様はっ!
意地悪だっ…!
「…まぁいいや。
田中さん、俺はね、」
言いながら、スルッとヘアゴムを取る葵くん
「髪、結ばないほうが好き。」
「なっ…!」
完璧、遊んでいる。
遊ばれている。
だって今の葵くん、すごく楽しそうだ。
「いつもの髪型のほうが可愛いよ、田中さん。」
「かっ、からかわないで…!」
えー?って、そんな残念そうに言わないでくださいっ
「田中さんの困った顔見るの楽しいからさ」
「私は楽しくないです!」