葵くん、そんなにドキドキさせないで。
ひとり言のように呟く陽菜ちゃんに首を傾ける
「…あ、じゃあ、バスケの練習は?結局大野にずっと見てもらってたの?」
「うーんっと、それがね…」
ちょうど昨日は体育があって。
『華子ちゃん今日もよろしく〜』
なんて言いながら近づいてきた大野くんに、
『悪いけど、今日から俺が教えることになったから。』
すかさず葵くんがこう言ったんだ。
にっこり笑っていたけれど、相変わらず目は笑ってなかったな…
「何それ…三河、自覚してんのかなぁ…」
「えっと、どういうこと?」
「んーん、何でもない…」
陽菜ちゃんがそう言うなら深く聞かないけど…
「…でもさぁ?大野は気にせず華子に絡みにくるよね」