葵くん、そんなにドキドキさせないで。
「…ごめん」
葵くんのことをもっと知りたいと思った。
「こうなったの俺のせい。」
「え?」
「…彼女のフリするのやめてもいいよ」
小さくそう言った葵くんに、すぐに首を振る
…謝るのは私のほう。
ごめん、葵くん。
「…ううん、いいの。」
好きに、なってしまった。
好きだって、自覚してしまった。
「…田中さんって、結構マゾだよね」
パチパチと瞬きをしてからクスッと笑う葵くん。
「ケガしてねぇんなら良かった」
「…ここまで来てくれてありがとう」
私に学校を休まれたら困るっていう理由でも、嬉しいな