葵くん、そんなにドキドキさせないで。
■田中さんは俺のこと好きじゃないよね。
「いやいや、その反応は絶対照れてたって!」
「陽菜ちゃん!声大きいっ……」
「大丈夫だって!聞こえてないよ!」
楽しそうに歌って盛り上がるクラスメイトのみんな。
大きな音楽が部屋いっぱいに流れている。
確かにこれだったら聞こえないかも、とホッと胸をなでおろした。
球技大会の打ち上げにカラオケに行くことになった。
普段あんまり行かないけど、陽菜ちゃんに引っ張られるようにしてついてきた。
葵くんもいるみたいだし……。
男友達と話している葵くんをチラッと見る。
「このままいけば、アイツの本当の彼女になるのも夢じゃないんじゃない?」
ジュースを飲みながらニヤニヤと笑う陽菜ちゃん。
もう、からかうのはやめてよっ。