葵くん、そんなにドキドキさせないで。
「本当だって!なんか暴言吐かれた子がいるって噂だよ」
空いたグラスを持って、ドリンクコーナーに向かってるクラスメイトの女子2人。
うっわ〜……。
近くに華子ちゃんいるって気づいてないわけ?
「なんか、お前らみたいな奴嫌いだーとかなんとか」
「あっ、ちょっとストップ!」
「え?……あ」
華子ちゃんに気づいた2人はその場で固まってしまった。
華子ちゃんも華子ちゃんで気まずそう。
……あー、もうっ。
「……ねぇ、それちょっと誤解」
なんで俺がこんなこと……。
そんなことを思いながら心の中でため息をつく。
それから、華子ちゃんの肩をポンと叩いた。