葵くん、そんなにドキドキさせないで。
葵くんのこと、悪く言っちゃってごめんね!
そう続けた女子たちに、華子ちゃんは首を振った。
「ううん、大丈夫!」って。
「……じゃ、変な噂してる子がいたら違うよって言ってあげてねー」
「うん、もちろん!」
「あっ、じゃあ私たち行くね!」
慌てたように戻って行く2人。
アワアワしちゃって変なのー。ジュース取りにきたんじゃなかったわけ?
「あの、大野くん」
小さく俺の名前を呼ぶ声。
にっこりと笑って「ん?」と首をかしげる。
「どうして、知ってるの?」
そう聞いた華子ちゃんは、眉を寄せてまるで俺のこと疑ってるみたい。
「どうして華子ちゃんがいじめられそうになったのを知ってるのってこと?」
「うん……」