葵くん、そんなにドキドキさせないで。
そう言うと、嬉しそうに笑う。
うん、可愛いなって思うよ。
……でも。
『このタオル、渡してあげたいなって思ってたの』
球技大会の時のことを思い出した。
三河を見つめる華子ちゃんは、少しだけ顔を赤くしてて、
どこか切なそうで。
『……葵くんが、結んでないほうが好きって……』
三河と一緒にいる時は、嬉しそうに顔緩ませてたっけ。
『私が葵くんのことを好きになるなんて……生意気なことだもん』
だけど、やっぱり悲しそうな表情を見せるから。
ほっとけないんだよ、俺は。
俺だったら絶対そんな顔させないのに……って、華子ちゃんのこと全然知らないのにそんなカッコつけたこと言うなよ。