葵くん、そんなにドキドキさせないで。


無意識に目で追いかけている自分が、

……ちょっと悔しい。



女の子達を先に行かせて、最後に葵くんが教室から出ようとした時。





「昨日の!」


「え?」





いきなり、大野くんがいつもより少しだけ大きな声を出したから、びっくりした。


ど、どうしたの?





「……昨日、華子ちゃんに言ったこと、告白ってことにしておいて」


「なっ……!?」





声が大きいよっ!絶対葵くんにまで聞こえてるよ!?





「大野くんっ、声大きい……!」


「でも、返事はいーや。言いたかっただけだから」


「は、話を聞いてよっ」


「あ、あと、




昨日、いきなり抱きしめちゃってごめんね」






そう言った大野くんに、あぁ、って思った。


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