葵くん、そんなにドキドキさせないで。
私の学校には王子様がいる
「葵くん、こっち向いて〜〜!」
「やばいっ、今目あった!」
「今日も笑った顔見られて幸せ〜…!」
朝の廊下を歩くだけでこの黄色い歓声…
相変わらず、王子様はすごいや
女の子たちのキャーキャー言ってる声が、だんだん教室に近づいてくる
「あ、葵くんっ、おはよう…!」
教室に入った瞬間そう呼ばれた王子様は、ニコッと笑って「おはよ」って。
あ、挨拶しちゃった子固まっちゃったよ…!?
助けてあげたい…けど、ごめんね…
こんな教室の隅にいるような奴に助けられるのはあの子も可愛そうっていうか…
「葵くん、今日お弁当作ってきたの!一緒に食べよう?」
「ごめんね、お昼は他のクラスの人と食べるから」