葵くん、そんなにドキドキさせないで。


「田中さんの"好き"は、友達としての?」


「えっ!?ち、違うよ……っ」





友達としてのじゃない。

恋人になりたい、の"好き"だよ。



そう言うと、ギュッと抱きしめる力が強くなった。







「……もう一回、好きって言って」







葵くんの小さな声に、何かがこみあげてきた。



そっと、背中に腕を回す。






「好き、です……」


私がそう言ったら、葵くんは「どうしよう」って。






「……好きな人と両想いになるのって、こんなに嬉しいもんなの」







そう呟いた葵くんは、本当に嬉しそうだった。








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