葵くん、そんなにドキドキさせないで。
「定番はやっぱマフラーとか手袋じゃない?」
「あっ、なるほど……」
「にしてもさぁ、」
ニヤニヤと私を見てくる陽菜ちゃんにキョトンとした。
えっと、その笑顔は何かな?
「良かったね、三河の本当の彼女になれて」
『嘘でしょっ、本当!?何がどうしてそんなことになったの!?』
陽菜ちゃんには、葵くんに告白をしたその日に電話で伝えた。
あった出来事を言うと、泣きながら『おめでとう』って言ってくれたっけ。
「えへへ、ありがとう!」
「その幸せそうな顔!腹立つなぁ!」
冗談っぽく言って笑う陽菜ちゃんにつられて私も笑ってしまった。
色々心配もかけたし、陽菜ちゃんにも何かあげたいなぁ……。