葵くん、そんなにドキドキさせないで。
「でも、また女子達にいじめられそうになったら言うんだよ?」
「大丈夫だよ!葵くんに、"守ってあげるから安心しな"ってこの前言われたし」
「……」
呆れたようにため息をつく陽菜ちゃん。
え?ど、どうしたの?
「地味に惚気てくるの、やめてくれないかなぁ、華子ちゃん」って、言ってる意味が分からないよ!?
「本当は、華子がまた振り回されるんじゃないかって少し心配だったんだけど、」
「へ?」
「大事にされてるんだね。安心した!」
ポンポンと頭を撫でてくる陽菜ちゃん。
それから、視線を前に移した陽菜ちゃんは「あ」と声を出した。
私も視線をたどってみる。
パチっと目が合った彼は、少しビックリした顔をしてからニコッと笑った。