葵くん、そんなにドキドキさせないで。
「やっほー、華子ちゃん。陽菜ちゃん」
手を振りながらこっちに歩いてくる大野くん。
陽菜ちゃんと顔を合わせて首をかしげた。
「俺のバイト先、この近くなんだよね」
「な、なるほど……!」
「華子ちゃん達は……」って言いかけてから苦笑いをする。
「クリスマスプレゼント買いに来たんでしょー。愛しの彼氏くんに」
「えっ!」
「あーあ、最悪ー。そんなところに出くわすなんて」
私と葵くんがまた付き合ったっていう情報は、あっという間に広がって。
だからきっと、大野くんもそのことを知ってるはずで。
大野くんとこの話をするのは、やっぱり気まずいけど、
私が暗い顔をするのはおかしいと思うから。