葵くん、そんなにドキドキさせないで。
気づいた時には、葵くんの顔が間近にあって。
反射的に後ろに引こうとすると、
葵くんが手のひらを頭の後ろにおいてそれを阻止するから。
思わず目をつぶると、柔らかいものが唇にあたった。
「っ、」
コツンとオデコを当てて、ジッと私を見る葵くん。
「あ、葵くん、近い……っ」
私、今絶対顔赤いよ。
ドキドキしすぎて心臓が痛いよ。
「顔真っ赤」
「だって、葵くんが、」
「俺が?」
「キスしてきたし、近いし……」
「でも、」
クスッと綺麗に笑う葵くんに、息が止まりそうになる。
「嫌じゃないだろ」
「っ、う」