葵くん、そんなにドキドキさせないで。
玄関から出て空を見上げると、
パラパラと、白い雪が降ってきた。
「あー、寒い凍え死ぬ」
しかめっ面の葵くんに苦笑い。
……よ、よし。
ゴクリと唾を飲み込んで、カバンの中からラッピングされたプレゼントを取り出した。
「葵くん、これ、クリスマスプレゼント」
本当はもっと後で渡そうと思ってたんだけど、
寒がってる葵くんにちょうどいいかなって。
「わ、すげ」
「良かったら使って!今日寒いし」
葵くんにプレゼントしたのは、赤と黒のチェックのマフラー。
定番のものになっちゃったけど、やっぱりこれにして正解だった。
「あったかい?」