葵くん、そんなにドキドキさせないで。
ど、どうしたの……?
「あー……田中さんってさ、」
「うん、なに?」
「可愛いよね」
「え!?」
「俺、田中さんが欲しいなぁー」
「ええっ……!?」
好きな人にいきなりこんなこと言われたら、誰だってビックリするし、恥ずかしくなるよね?
目を丸くして固まってる私に、葵くんはふっと笑って。
その顔にも、ドキンと心臓が音を立てるから。
もう、本当にやめてほしい。
「田中さん」
「へっ」
名前を呼ばれたかと思えば、
「っ、な……!」
葵くんはもう一度私にキスをした。
「あ、甘いっ」
「は?なにが」
「葵くんがっ」
「何それ、可愛いこと言うね」