葵くん、そんなにドキドキさせないで。
あっという間に学校は終わった。
「じゃあね!進展があったら報告よろしくっ」
陽菜ちゃんはそう言ってさっさと部活に行ってしまったし……。
もう、陽菜ちゃん、絶対楽しんでるでしょう?
はぁ、とため息をついて葵くんの家へと向かう。
先生からもらった住所が書かれてるメモを頼りに、住宅街を進んでいく。
ついでに学校のプリントも一緒にもらった。
スーパーでゼリーとか、食べやすそうなものも買ったし……。
だ、大丈夫だよね?
ゴクリと唾を飲み込んで、高層マンションの前で足を止めた。
「た、高っ……!」
葵くんってお金持ち?
マンションが豪華すぎて、中に入るの緊張しちゃうよっ?
私の家なんかとは天と地ほどの差だよっ!