葵くん、そんなにドキドキさせないで。

ギシッとベッドが軋む。


葵くんが私を押し倒したから。




本当に、どこにそんな力があるの？


ビックリして声も出せないでいると、葵くんの顔が近づいてきた。





「田中さんにも、風邪、移してやろうか」


「ちょっ、と葵くん……！」


「軽いやつと、深いやつ。どっちがいい？」





口角をあげて綺麗に笑う葵くんに、息を飲む。





「もう、こっちでいっか」



「っ！んぅ……っ、」






角度を変えて、何回も何回も、深いキスをしてくるから。


唇が離れたかと思えば、息を整える暇もくれないでまた塞いでくる。





「あ、おいく……っ、ん」





名前もまともに呼ばせてくれないし、

クラクラするのに、ふわふわと気持ちよくなってきてるし、


もう、何なの。