葵くん、そんなにドキドキさせないで。
「ひ、膝?」
「そう」
「あの、貸してって…」
「コンクリ硬いからさ」
気持ちよく眠れない。って、そんな理由…!!?
そんな理由で私に膝枕をしろと言うの?そうなの?
「いやいやっ、あの、私なんかのじゃ…!」
「はぁ?"なんか"って何だよ…、田中さんがいいんだよ、俺は。」
はーやーくー、そう言って急かしてくる
「ゔっ、でも…」
膝枕って…
ここには誰もいないけど、それでもやっぱり恥ずかしいし
お、恐れ多いし。
動けないでいる私に、葵くんは「チッ」と小さく舌打ちをする
それから、王子さまは起き上がって、
「……っ、わ」
葵くんは私のネクタイを軽く引っ張って顔を近づけた