葵くん、そんなにドキドキさせないで。


***


4時間目の授業の終わりを知らせるチャイムが鳴った瞬間、

葵くんはガタッと立ち上がった



ほとんどの男子が購買に向かって教室を飛び出す中、

私の方に近づいてくる葵くん




……そして女子たちの鋭い視線…




「田中さん、行こ」




ニコッと笑いかけてくる葵くんに、仕方なく私も立ち上がる




……陽菜ちゃんどうしよう

『女の嫉妬って怖いんだから!!』


さっきの言葉、痛いほど分かるよ…!





「ねぇ、やっぱりあの2人って付き合ってるのかな?」


「葵くんが言ってたし…そうなのかもしれないけど…」


「…でも、釣り合ってないよねぇ」





屋上に行くまでの廊下は、

こういったコショコショ話でいっぱいだ


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