葵くん、そんなにドキドキさせないで。
うぅ、私だって釣り合ってないってことぐらい分かってるし…っ
…は、恥ずかしいなぁ
「(葵くんは、何とも思ってないのかな)」
屋上の扉をあけて、またコンクリートの上に寝転がる葵くんを見ながらそう思う
「…田中さん、」
「っえ、あっ、はい!」
急にどうしたの……って、またですか…?
寝転んだすぐ場所のところ
そこをペチペチと叩いて私を呼ぶ
「あ、あの、私、今日はここでいいかなぁ…」
「はぁー?田中さん、学習能力ねぇの?」
不機嫌そうな顔と声
…葵くんの言うことは、いつでも絶対、らしい。
「もうここ、田中さんの定位置だから」
ちゃんと覚えてよ?って、大人しく座った私を見ながらクスッと笑う