葵くん、そんなにドキドキさせないで。


「……っ」




……葵くんって、ちょっとズルい。


私と2人でいる時は不機嫌にもなるけど、

それでも教室にいる時より顔つきも、声も、





「…また顔赤くしてる」


「だ、だって…」





ビックリするぐらい、優しい。


…どうしてだろう?

眠いからかな。あの作り笑顔に疲れてるからかな。





『キーキー騒ぐ女共を何とかしたくてさ』


「…。」





あ、危ない危ない…

忘れかけてたけど、葵くんの本性は腹黒男っ



少しでもドキッとするなんて、私ったらなんて奴だ…!




ブンブンと首を振って、私の横で寝転んでいる葵くんに視線を移す




「…葵くん」


「なに」


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