葵くん、そんなにドキドキさせないで。
「あっ、ヤバい、チャイムなるよ!」
その声に慌ててスマホの時計を見ると、確かにもう少しで休み時間が終わる頃だった
パタパタとトイレから出て行った足音を聞いてから、
そっとドアを開ける
「ら、ラブラブ…」
ゴクリと唾を飲み込む
いや別に…そういうことがしたいってわけじゃないけれど…
でも葵くんは女避けのために、私を期間限定の彼女にしたのであって。
それなのに周りの女の子たちがそれを信じていないって…
はぁ、とため息をつく
「(この関係に意味はあるのかなぁ…)」
そんなことを思いながら教室へ。
今日は陽菜ちゃんは、珍しく風邪を引いて学校を休んでいる
自分の席についてから、そっと葵くんの方を見た