葵くん、そんなにドキドキさせないで。


別にいいよね?

なんて、そう言いながら寄ってくる




「(あ、危ない…危ないよこの子たち!!)」




それに、いいわけない。

人様のもの勝手に持っていくのはちょっと…!





「あ、の…その、ごめんなさい!!!!」


「あっ、ちょっと!」





運動オンチなりに頑張って走って、走って…





「わっ、」





でも、渡り廊下の角を曲がったところで誰かにぶつかってしまった





「す、すいませ……って、」





葵くん!?


ど、どうしてこんなところに…




「あ、ごめんなさい、大丈夫…?」


「大丈夫じゃないぶつかった腕が痛い何やってんだよ田中さん」




早口でそう言う葵くんは、ムスッと不機嫌顔


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