葵くん、そんなにドキドキさせないで。
ゔっ、反省します…
もう一回"ごめんなさい"って、謝ろうとした瞬間、葵くんにグッと腕を引っ張られた
「…ていうか、何もされてねぇの?」
その言葉に目をパチパチとさせる
え、ええっと……
「戻ってくんの遅いから心配した」
「えっ!」
私の声に眉を寄せる葵くん
「なに」って聞かれたけど、な、何でもないです…!
「(私のこと、心配してくれたんだ…)」
嬉しいなぁ
思わずふふッと笑ってしまう
そんな私に気づいた葵くんは、なんと「チッ」と舌打ちをするわけで。
「…言っとくけど、田中さんがケガして学校休まれたら俺が困るだけだから」
プイッとそっぽを向く
そんなことを言ってるけど葵くん。
それならどうして私の腕を離してくれないのかな。