リボンと王子様
「……それって千歳くんはお姉ちゃんと真剣に付き合うってこと?」


舞花がズバリと核心をついた。

私は目を見開いて舞花の腕を掴んだ。


「ま、舞花……!」


舞花はそんな私の様子に怯むことなく、真っ直ぐに千歳さんを見つめた。

千歳さんは夜色の瞳で舞花の視線を真剣に受け止めて。


ギュッと私の手に指を絡めた。

反射的に見上げた千歳さんの瞳に浮かぶ甘さに。

一瞬泣きそうになってしまった。


「……穂花と再会して日は浅いけど。
穂花のことは何より大事だから。
真剣に付き合いたいって思っているよ
……舞花ちゃんは認めてくれる?」


これ以上ないほど真摯な言葉に舞花は満足そうに微笑んだ。


「勿論!
千歳くん、お姉ちゃんをよろしくね。
一人で何でも抱え込んですぐにネガティブになっちゃう面倒くさい人だけど」

「舞花っ!」


カアアッと恥ずかしさで耳が熱くなる。


「ハイハイ、本当のことでしょ?
私、約束があるから行くね。
千歳くん、今度皆で一緒にご飯行こうね!」


ヒラヒラと手を振って楽しそうに舞花は出ていった。

私にバッチリ小さな目配せを忘れずに残して。

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