リボンと王子様
秘密と向き合った日
暫く閉じられた千歳さんの玄関ドアを見つめて。

ノロノロと自宅のドアを開けた。


そのまま寝室のベッドにポスン、と身体を預けた。

布団に身体が吸い込まれるように。

私の思考は止まって。


涙だけが止まらずに流れた。

泣いている意味さえわからなかった。

涙の理由もわからなかった。


千歳さんの苦しそうな表情と。

切ない声。


真意のわからないキス。

感じた拒絶。

迷惑でしかない私の告白。


今まで言えなかった『好き』を。

押し付けるかのように。

最悪のタイミングで口に出してしまった。

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