リボンと王子様
「聞きたいことは山ほどあるけど。
まずは、お姉ちゃん!
お風呂、入ってきなよ。
顔、すごいことになってるし。
それとも先に何か食べる?
豚バラ白菜うどん作ったよ」


母親のように甲斐甲斐しく私の世話を焼こうとしてくれる舞花の気持ちがくすぐったくて嬉しかった。


「……この匂い……豚バラ白菜うどんだったんだ」

「うん、何にも食べてないんじゃないかと思って。
食べやすくてお姉ちゃんが好きなものにしたの。
どうする、お風呂、後で入る?」

「ううん、今から入る。
身体ベタベタだろうから」


涙と汗で顔も身体もベタベタだし、自覚するとなおのこと気持ちが悪い。


「わかった。
でもお姉ちゃん、顔色すごく悪いから気持ち悪くなったりしたら呼んでね、長湯はダメだよ」


そう言って舞花はバスタオルを渡してくれた。

何から何まで世話をしてくれる舞花の優しさが胸に沁みる。


「……うん。
ありがとう、舞花」


素直にお礼を伝えると、舞花はフワッと微笑んだ。
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