リボンと王子様
フカフカの絨毯に足を取られそうになりながらも、エレベーターホールに向かって走る。
運よく到着していたエレベーターに乗り込み、一階に降りた。
足早にホテルに隣接しているショッピングビルの入口に移動しながら、スマートフォンを取り出した。
瑞希くんの番号を呼び出す。
「……はい?」
数回のコール音のあと、落ち着いた瑞希くんの声が聞こえた。
「み、瑞希くんっ……!」
「穂花?
どうした?
何かあったのか?」
私の焦った声に瑞希くんの声が一瞬で緊張を帯びる。
その様子に心配をかけてはいけないと、私は努めて落ち着いた声を出す。
「あ……ごめん、ま、待ち合わせ場所を変えてもらいたくて。
わ、私今、ホテルの隣りのショッピングビルの入口にいるから……」
「……何で?」
さすがは従兄、鋭い。
「ちょっと見たいお店があったから……」
無理矢理作った言い訳に納得したのか、とりあえず瑞希くんは追求してこなかった。
「もうあと、五分もかからずに着くから」
ビルの入口にいて、と瑞希くんは言って電話を切った。
言われた通り、スマートフォンを握りしめて私は入口に足早に向かった。
運よく到着していたエレベーターに乗り込み、一階に降りた。
足早にホテルに隣接しているショッピングビルの入口に移動しながら、スマートフォンを取り出した。
瑞希くんの番号を呼び出す。
「……はい?」
数回のコール音のあと、落ち着いた瑞希くんの声が聞こえた。
「み、瑞希くんっ……!」
「穂花?
どうした?
何かあったのか?」
私の焦った声に瑞希くんの声が一瞬で緊張を帯びる。
その様子に心配をかけてはいけないと、私は努めて落ち着いた声を出す。
「あ……ごめん、ま、待ち合わせ場所を変えてもらいたくて。
わ、私今、ホテルの隣りのショッピングビルの入口にいるから……」
「……何で?」
さすがは従兄、鋭い。
「ちょっと見たいお店があったから……」
無理矢理作った言い訳に納得したのか、とりあえず瑞希くんは追求してこなかった。
「もうあと、五分もかからずに着くから」
ビルの入口にいて、と瑞希くんは言って電話を切った。
言われた通り、スマートフォンを握りしめて私は入口に足早に向かった。