リボンと王子様
会食だけれども、あくまでもプライベートに近いと言われていたように。

公恵叔母さんは社用車は使用せず、タクシーを利用した。

車内で公恵叔母さんは私の装いにすぐ気づいた。



「あらっ、穂花ちゃん、今日のメイクすごくよく似合っているわ、フェアリーの新作ね?」

「は、はい、社長。
ありがとうございます」

「もう穂花ちゃんたら、
就業時間は過ぎたのよ!
普通に話してちょうだい。
今は叔母と姪です」

キッパリ言い切られる。

「いえ、あの社長……」

ジロリと睨まれて私は嘆息する。

「……公恵叔母さん」

「良くできました」

ニッコリ微笑まれた。

「穂花ちゃんは入社以来、目立たないようにっていつも気にしていたでしょ?」

穏やかに公恵叔母さんが話し出した。
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