リボンと王子様
いくら公恵叔母さんに打診されたとはいえ、業界でも名を知られた企業であるこの会社に、血縁……いわばコネのような形では入社したくない、そう思っていた。
そのため、一般のエントリーをして、入社試験を受けた。
特別扱いをされたくはなかった。
経験も実績、能力もないのに居座れるほど私は図太くない。
公恵叔母さんの計らいで私と血縁関係にあることは社内では伏せてあるけれど、新入社員の私がいきなり秘書課に配属されることは異例だ。
何故なのかと皆が疑問に思っている。
何かと注目も浴びるし、口さがないことを言われることもある。
そんな噂の種を提供しないためにも人一倍努力をしなければと思っている。
加えて目立つ恰好をしていたら、更に目立ってしまう。
そう思い、瞳の色は黒のカラーコンタクトで隠し、できるだけ地味でいることを心がけていた。
そんな私を公恵叔母さんはお見通しだったようだ。
「穂花ちゃんが頑張ってくれていることを私はよく知っているわ。
最初の話とは違って、無理をさせてしまっていることも申し訳ないと思っている。
だけど、穂花ちゃんに窮屈な思いをさせるために入社してほしかったわけじゃないのよ?」
そのため、一般のエントリーをして、入社試験を受けた。
特別扱いをされたくはなかった。
経験も実績、能力もないのに居座れるほど私は図太くない。
公恵叔母さんの計らいで私と血縁関係にあることは社内では伏せてあるけれど、新入社員の私がいきなり秘書課に配属されることは異例だ。
何故なのかと皆が疑問に思っている。
何かと注目も浴びるし、口さがないことを言われることもある。
そんな噂の種を提供しないためにも人一倍努力をしなければと思っている。
加えて目立つ恰好をしていたら、更に目立ってしまう。
そう思い、瞳の色は黒のカラーコンタクトで隠し、できるだけ地味でいることを心がけていた。
そんな私を公恵叔母さんはお見通しだったようだ。
「穂花ちゃんが頑張ってくれていることを私はよく知っているわ。
最初の話とは違って、無理をさせてしまっていることも申し訳ないと思っている。
だけど、穂花ちゃんに窮屈な思いをさせるために入社してほしかったわけじゃないのよ?」