リボンと王子様
「君は妖精?」
秀麗な顔立ちの彼が尋ねる。
闇色の双眸が真っ直ぐに私を見据える。
小さく首を横に振る私に。
一歩。
また一歩。
距離を近づけて来る。
「良かった」
フワリ、と零れた笑顔。
ドクン、と胸が震えた。
「君は誰?」
穏やかな光を綺麗な瞳にたたえて。
彼は私から視線を逸らさない。
眼前まで近付いた彼が私の右手を取った。
彼の左手に包まれて、ジワリと体温を感じる。
頬が一気に朱に染まる。
これだけ近くで見ても隙のない、華やかな容姿。
こんなにも綺麗な男性に初めて出会った。
どうして私に話しかけたの?
どうしてそんなことを聞くの?
聞きたいことがあるのに。
声が喉に張り付いてしまったように、言葉が出ない。
ただ彼を見つめ返すだけでいっぱいいっぱいだ。
「妖精じゃなくて、よかった。
君に会えて俺はラッキーだよ」
近寄りがたさを打ち消す、蕩けそうな微笑みで彼は私の右手に指を絡めた。
秀麗な顔立ちの彼が尋ねる。
闇色の双眸が真っ直ぐに私を見据える。
小さく首を横に振る私に。
一歩。
また一歩。
距離を近づけて来る。
「良かった」
フワリ、と零れた笑顔。
ドクン、と胸が震えた。
「君は誰?」
穏やかな光を綺麗な瞳にたたえて。
彼は私から視線を逸らさない。
眼前まで近付いた彼が私の右手を取った。
彼の左手に包まれて、ジワリと体温を感じる。
頬が一気に朱に染まる。
これだけ近くで見ても隙のない、華やかな容姿。
こんなにも綺麗な男性に初めて出会った。
どうして私に話しかけたの?
どうしてそんなことを聞くの?
聞きたいことがあるのに。
声が喉に張り付いてしまったように、言葉が出ない。
ただ彼を見つめ返すだけでいっぱいいっぱいだ。
「妖精じゃなくて、よかった。
君に会えて俺はラッキーだよ」
近寄りがたさを打ち消す、蕩けそうな微笑みで彼は私の右手に指を絡めた。