リボンと王子様
公恵叔母さんも反対していないし……少しの間なら……困ってらっしゃるなら……。

私がお力になれるなら……。



家事は嫌いじゃない。

家事の中でも特に掃除は好きな方だ。

気持ちが傾いてきた時。


「軽い気持ちで考えてちょうだい!
穂花さんが何より適任なの」

畳み掛けてくる有子おばさまに。

「あの、私、本当に専門的な知識も経験もないのですが、それでよければ……」

か細い声でおそるおそる返事をすると。



「本当にっ?
まあっ助かるわ!
嬉しいわ!
ありがとう、穂花さんっ。
ありがとう、公恵さんっ」

一オクターブ高い声で有子おばさまかブンブンと握った私の手を振る。



その瞬間。



公恵叔母さんと有子おばさまが目を合わせて微笑んだ。

「ああ、良かった!
安心したわ、ずっと穂花さんにお願いしたかったのよ。
本当にありがとう!」

「いつからにしましょうか?
家の手配はしてあるから、こっちはいつでも大丈夫よ」

「そうね、とりあえず帰国日を確認するわ。
あの子、勘だけはいいから気付かれないようにしなきゃいけないし」

「そうね……直前で部屋を変えられたら困るものね」

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