リボンと王子様
「いえ、あの。
樹くんと舞花は付き合っていないですけれど……」
何だかよくわからない話の方向に、とりあえず訂正する私。
「あら、そうなの?
まあ、でもいいの、時間の問題よ」
フフッと公恵叔母さんが何やら意味深に微笑む。
樹くんと舞花の微妙な距離感を見抜いているかのような公恵叔母さんに舌を巻きつつ、有子おばさまに向き直る。
「あの、それは千歳さんにお付きあいをされていらっしゃる方がいるかどうかを調べるということでしょうか……?」
「いいえ、少し違うわ」
意外にもアッサリ否定される。
「私も私なりに色々な方に協力をいただいて調べてみたの。
バレたらあの子は嫌がるでしょうけどね。
現時点で、彼女はいないみたいなの。
でも、好意をもっている女性がいるかどうかまではわからなかったのよね」
綺麗に整えられた眉をひそめる有子おばさまに、私はふと思う。
「……あの、どなたか千歳さんに想う方がいらっしゃると何か不都合なことでもおありになるんでしょうか?」
踏み込んだ質問かもしれないけれど、尋ねずにはいられなかった。
千歳さんは話を聞く限り、私より年上で立派な社会人だ。
そんな方が誰かを想うこと、片想いをすることがダメなのだろうか。
有子おばさまは困ったように笑って首をゆっくりと横に振った。
樹くんと舞花は付き合っていないですけれど……」
何だかよくわからない話の方向に、とりあえず訂正する私。
「あら、そうなの?
まあ、でもいいの、時間の問題よ」
フフッと公恵叔母さんが何やら意味深に微笑む。
樹くんと舞花の微妙な距離感を見抜いているかのような公恵叔母さんに舌を巻きつつ、有子おばさまに向き直る。
「あの、それは千歳さんにお付きあいをされていらっしゃる方がいるかどうかを調べるということでしょうか……?」
「いいえ、少し違うわ」
意外にもアッサリ否定される。
「私も私なりに色々な方に協力をいただいて調べてみたの。
バレたらあの子は嫌がるでしょうけどね。
現時点で、彼女はいないみたいなの。
でも、好意をもっている女性がいるかどうかまではわからなかったのよね」
綺麗に整えられた眉をひそめる有子おばさまに、私はふと思う。
「……あの、どなたか千歳さんに想う方がいらっしゃると何か不都合なことでもおありになるんでしょうか?」
踏み込んだ質問かもしれないけれど、尋ねずにはいられなかった。
千歳さんは話を聞く限り、私より年上で立派な社会人だ。
そんな方が誰かを想うこと、片想いをすることがダメなのだろうか。
有子おばさまは困ったように笑って首をゆっくりと横に振った。